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2011年12月 2日 (金)

我が家の今昔物語②食べてはいけない

今は昔。実家での話である。十五夜の日、お月様にお供えしたものを独身女性の私は食べてはいけないと言われた。

お月さまにお供えした物と同じ物がお布巾で隠され、私だけ別にそれを食べさせられた。

あの頃、我が家でお供えしたものは、とうもろこしと枝豆と葡萄と、洋梨もあっただろうか、お団子は白玉団子のような祖母の手作りの平たくて丸いお団子だった。

行事を仕切っていたのは祖母である。

「十五夜のお月さんにささげたものを結婚前の女が食べたら子供を十五人も産んでしまうから」と因果を含めるように私に言っていた。

十五人も子供を産むというのは、出産なんぞ考えもしない少女の頃の私でも、なんだかおそろしく大変なことのように思えた。

不思議な話だったが、祖母はひそひそ話のように毎回私に告げるので、大人の女の秘密を明かされたような気分になって、理屈を超えて、納得させられた。

どこの家でも同じに違いないと、私はべつに誰にもその話をしなかった。

話題にするほど特殊な話だとは思いもしなかったのだ。

ところが結婚してしばらくしてから、大阪ではそんなことはしないと知り、改めて北海道の友人に訊いたら、北海道の誰に訊いても(実家のある函館や、学生時代に知り合った札幌を始め方々の道民も)、そんな話は知らないという。

どうも、そんなことをしていたのは我が家だけだったようなのである。

だからとつぜん、“腑におちないおかしな話”になった。

祖母は私の結婚を見届けて3か月後に亡くなった。母もそれから10年ほどで亡くなった。

私が疑問に思うようになったのは、祖母も母も亡くなった後のことだ。

十五人も子供を産んでしまうから食べてはいけない、と言われ、そのまま従順に食べなかったせいか、私は一人も子供は産まなかった。

あれはそう言われてもちょっとくらい食べた方がよかったのかもしれなかったかな、というような話をj冗談で友人にして、その結果、そんな話は大阪では聞いたことがないと言われ、さらに北海道でも聞いたことがない話だとわかったのだ。

唯一生きている父に尋ねると、

「さあ、あれは父さんも他では聞かない話だが、どういうわけか祖母さんがそう言ってお前に食べさせなかったのだ」

と言われた。

祖母は男の子を三人産み、女は産まなかったので、我が家でお布巾で覆いお月様の光から遮ったものを食べたのは私だけである。

私の祖母は秋田県の男鹿半島のつけ根にある船越という所の出身だった。

もしかしたら秋田の風習なのかもしれない。

そう思って調べたら、やはりそうだった。

子供が十五人もできる、という話ではなく、難産になるからというような話がネットで出ていた。

女性の月の物とお月様と、微妙な関係で、お月様のお供えを取って食べるとお産にかかわることで苦労するとというような話になったのだろうか。

今は昔のことである。

もう私には月の物も無くなった(笑)

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我が家の今昔物語」カテゴリの記事

コメント

面白いお話ですね。
それと、洋ナシが昔からあったんですね。。。
うちは貧乏?だったからなのかな、見たことなかったです、大人になるまで。

月のもの、もうそろそろなくなりそうだとは思うのですが、大小の筋腫がごちゃごちゃしている子宮を取るか、なくなるまでおいとくか、悩み中です。

ユウコさん、今回もおとぎばなしのような不思議なお話をありがとうございます。
おばあちゃんが密やかに語る"大人の女の秘密" しかもそれはユウコさんち
だけだった………ってなんかとてつもない大きな先祖代々の秘密みたいな
感じがしてゾクゾクしながら読んじゃいました(笑)
月には底知れぬパワーがあってその光を遮っておくって本当に何かありそうですよ。

おケイはん
コメントありがとうございます。
洋梨は50年以上前の子供の頃からありました。
ラ・フランスとはちがう品種です。似た味ですが、皮はすこし黄色い色をして薄く、果肉はすぐに柔らかくなるのです。
熟したら皮ごと食べたりしました。濃厚でとろっと口の中で果肉がとろけます。
私は大好きでした。
出回る初めは高いのですが、日持ちがしなく、皮の色が黄色くなったらかなり安くなるのです。
ちょうど八幡宮のお祭りの頃に安くなりました。
傷みやすくて日持ちのしない洋梨なので、採れる地方だけで食べられていたんだと思います。

ところで、この十五夜にお供えした物は独身女性は食べてはいけないという話、ココログで知り合った秋田のまめきちさんにまちで3日ほど前に尋ねてみたら、やっぱりそうだったと答えてくれました。
風習とは面白いものですね。

エミーユさん
コメントうれしいです。
う~~ん。先祖代々、たぶん、私は「かぐや姫」の後裔なのかもしれませんbleah
月に帰ってもらっては困るので、きっとそんな隠し事があったのでしょう。
もう月の物もなくなったので、帰れません(うひひ)。

改めてですけど、ユウコさん文章綴るの本当にお上手ですね。
流れるように吸い込まれるように読んでしまいます。
下手な作家より上手です。

ユウコさんのブログを読んで、
「秋茄子は嫁に食わすな」という言い伝えを思い出しました。
秋茄子は美味しいから姑が意地悪しているという説と秋茄子は身体を冷やすからお嫁さんの身体を気遣うという説とあるみたいなんですが…(^_^;)。実際のところわかりません…。

女性の月の物は月の満ち欠けに関係しているといわれますよね。
このユウコさんのお話、勉強になりました。

文月SHO様
コメントありがとうございます。
ははは、実は私、下手な(売れない)作家でした。一応、文芸年鑑での肩書は(汗)。
また読んでください。

初めまして。
私は秋田の男鹿の近くに住んでいるのですが
ちょうど先日の十五夜の時にダンナに「女性は食べてはダメ」と
言われ、それをブログに載せたところ
他の地区の人たちが全く知らず、「調べるように」と
ブロガーさんから言われました(笑)
他の地域でもあるみたいですが、お祖母様が秋田(しかも男鹿)ということで
納得いたしました。
ありがとうございます。

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